夕方1

生徒指導室で言い争う声が聞こえたかと思うと、一瞬の沈黙の後、轟音が聞こえる。

荒々しく扉を開けて出てきた女教師は近くにいた生徒に


『そこで倒れてるアホを保健室のベットに縛り付けとけ』


それだけ行うと、早足でどこかにいってしまった。
部屋のすみには引っくり返った机と椅子、それと背ばかり大きい生徒が倒れたまま動かなかった。

PM8:27

「モモちゃん今日お客さん来ないし帰っていいよー」

「あーい」

「風強くなってきたから気を付けてね」

「あーい！」




「お先失礼しますだヨー」

「お疲れ様ー」

「……さっぶぃ！！？」

「モモちゃん薄着すぎじゃない？」

「オレ、上着の下タンクトップしか着てナイ…」

「って上着うすっ！」

「だってお昼風吹いてナイだから…」

「風邪ひいちゃだめだよー、モモちゃん最近目のクマ酷いし」

「ご、ごめんなさい…」

モデル：桃【リス】の裏側

モチーフ：リス・秋



「お菓子だ！！」

「撮影終わったら食べていいよー」

「わーい♪」

深夜

夜更けに帰宅した背ばかり大きい青年、倒れるように床に転がった。

「…どこにいるの…？」

そう呟いて動かなくなった。


数十分後、また立ち上がると部屋を出て行った。

夜中の衝動

「あ、せんせーこんばんはー」

「ん、買い物か？」

「うん」

「…お前、その飲み物全部飲むのか？」

「んー？そだヨー？」

「本数多くないか？」

「んー…最近暑いだからノドかわいちゃうんだヨー」

「…そうか、ちゃんと歯磨いて寝ろよ」

「わかってますヨー」

モデル:桃【三猿】の裏側

イメージ：見ざる、言わざる、聞かざる・不良



「モモだヨーもしもし！」

『あ、モモー明日の撮影だけどねー』

「あ、うん、ナニー？」

『パンツ穿いてきてね？』

「いつも穿いてるだヨ？！」

PM 7:43 バイト先にて

「夢の国で仮装したいですー」

「ハロウィンは仮装オッケーなんだっケ？」

「そうなんですよー桃さーんあたしカボチャやりたいです、カボチャ」

「え、リアルな感じノ？」

「そうです」

「…カボチャパンツとかじゃないノ？」

「リアルなカボチャになれる服あるんですよー」

「へ、へぇ…ソナノ…」

「夢の国のキャラクターに仮装するとしたらナニしますー？」

「うーんどうしよっカナ？」

「あ！桃さんアレ似合いますよ！シンデレラ！」

「しんでれら？それお姫様だヨー」

「似合いますってー」

「そ、そなのカナ…？」

13日の金曜日怖い…

今日はデザイナーさんとDVD見ただヨー…

「13日の金曜日」って昔の映画みたいなんだケド…



怖い映画って言わなかったじゃん！！

ナニアレー！

オレ怖いのキライっていったのにー！



…今日早く寝ヨ…

あとしばらく湖行かナイ…

AM 3:26

ピカッ……

「きゃあぁぁぁぁぁぁ！！」

モデル：桃【ニワトリ】の裏側

モチーフ：ニワトリ・寝不足・郵便屋




『モモー明日の撮影なんだけどー』

『ナニー？』

『寝ないで来てよ』

『ムリー！？』